今回紹介するのはNHKの人気朝ドラ『あんぱん』! 2025年前期の連続テレビ小説第112作『あんぱん』は、アンパンマンの生みの親である漫画家・やなせたかしさんと妻の暢さんをモデルに、戦中・戦後を生き抜いた若い夫婦が“愛と勇気”を形にしていく軌跡を描きます。2025年3月31日(月)スタート、毎週月〜土の朝8時15分枠。脚本は『花子とアン』の中園ミホさん、主題歌はRADWIMPSの「賜物」。語りは林田理沙アナウンサーが務め、ヒロイン・朝田のぶを今田美桜さん、パートナー・柳井嵩を北村匠海さんが演じます。
筆者も毎日NHKプラスで見ています!!とても面白いので、NHK朝ドラ『あんぱん』の魅力や見どころについて徹底解説していきます!
目次
あんぱんの見どころ① ヒロイン・朝田のぶの奮闘と成長物語

物語の中心にいるのは、高知の製パン店で育った朝田のぶ。戦後の混乱期に「パンで人を幸せにしたい」という思いを胸に上京し、挫折と出会いを繰り返しながら“誰かの空腹と心を満たすあんぱん”を焼き続けます。第4週「なにをして生きるのか」では、のぶが届けたあんぱんがひと言もかけられないほど落胆する人々を優しく励まし、食卓に笑顔を取り戻す姿が描かれました。その小さな成功体験が、のちの大ヒットキャラクター誕生へとつながる伏線として効いているのが魅力です。
キーワードは“逆転しない正義”
アンパンマンの哲学として語られる“弱き者を助け、見返りを求めない正義”は、のぶが焼くあんぱんにも宿ります。毎朝わずか15分の放送時間の中で、「与える喜び」を体現するヒロインの背中が、視聴者の一日を照らしてくれる―そんな朝ドラならではの王道展開が胸を打ちます。
あんぱんの見どころ② 実在モデルがもたらすリアリティ

『あんぱん』の面白さは、フィクションでありながら実在のクリエーター夫妻を下敷きにしている点です。やなせ夫妻は戦中に特務宣伝部で働き、戦後は週刊漫画誌やラジオ番組で生活を立てながら、長い下積みを経てアンパンマンを生み出しました。ドラマでは「のぶ」と「嵩」という改名を施すことで創作の自由度を確保しつつ、二人の職業的足跡―新聞連載、紙芝居、商業デザインなど―を丁寧に追体験させます。史実の重みがあるからこそ、一見ドラマチックすぎる展開にも説得力が宿り、視聴後にモデルご本人のエピソードを調べたくなる“奥行き”があります。
あんぱんの見どころ③ 時代を映すディテールと家族・地域の温度感
舞台は高知と東京。戦中の物資不足、焼け跡の闇市、復興期の商店街――美術スタッフが再現した空間に、パンの香りと人いきれが溶け込むことで“生きた昭和”が立ち上がります。特に高知編では、市電の走る街角で毎朝揚げられる“おはようラッパ”の音が、のぶの家族が営む「朝田ベーカリー」の1日の始まりを告げ、視聴者を懐かしい気分に誘います。一方、東京編では進駐軍の影響でパン食文化が急速に浸透し、“コッペパン”と“あんぱん”の味わいの違いをめぐる論争など、当時の生活感覚をユーモラスに描写。こうした地域ごとの空気感を丹念に描くことで、ストーリーが歴史の教科書ではなく“台所から見た昭和”として深まっています。
あんぱんの見どころ④ 豪華キャスト×音楽が生むドラマの熱量

主役二人を支えるのは、竹野内豊・松嶋菜々子・阿部サダヲ・加瀬亮・江口のりこ・吉田鋼太郎ら実力派が勢揃いした家族・師弟・商店街の面々。とりわけ謎のパン職人・屋村草吉(阿部サダヲ)の“掴みどころのない師匠感”は、のぶと嵩の人生を一歩先で照らす街灯のよう。音楽は井筒昭雄氏の温かいストリングスと明るいリコーダーがベース。RADWIMPSが書き下ろした主題歌「賜物」は、前奏わずか数秒で視聴者を“今日も頑張ろう”という気持ちにスイッチさせる朝ドラマジックを担います。OP映像でパン生地がふくらむ様子と、のぶたちが笑顔を重ねていくコマ撮り演出のシンクロも秀逸です。
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